台湾文化の中で以前から興味があったのが、檳榔(ビンロウ)。中国語だとビンランに近い発音です。
檳榔とは?
檳榔とは何なのでしょうか?Wikipediaによると以下の通りです。
ビンロウは、ヤシ科の植物で、その種である「檳榔子を」を噛むことはアジアの広い地域で行われている。檳榔子を細く切ったもの、あるいはすり潰したものを、キンマ(コショウ科の植物)の葉にくるみ、少量の石灰と一緒に噛む。場合によってはタバコを混ぜることもある。しばらく噛んでいると、アルカロイドを含む種子の成分と石灰、唾液の混ざった鮮やかな赤や黄色い汁が口中に溜まる。この赤い唾液は飲み込むと胃を痛める原因になるので吐き出すのが一般的である。
檳榔のイメージは?
とりあえず、台北でサラリーマンやってるような台湾人に「檳榔やりたいんだ」と相談すると「やめとけ(苦笑)」みたいな感じの反応が返ってきます。眉をひそめられる感じです。シアトルの駐在員の友達のとこに遊びに行って「大麻やりたい」と相談する時の反応と似てるかもしれません。←想像
また、台湾アニメの『幸福路上』でも、ビンロウを噛んでいるお婆さんが「野蛮」だとクラスメイトにからかわれるシーンがありました。
台北でも檳榔屋は結構あった!
台湾の檳榔と言えば、セクシーなお姉さん(檳榔西施)が路上で売っているイメージだったのですが、よくよく目を凝らすと、台北にも檳榔屋は結構あるのでした。
檳榔屋のマークは、緑色の放射線上のマークのようです。
アメリカで緑色の葉っぱマークや、緑色の十字マークが大麻ショップなのと似てますね。←豆知識。
ちなみに花蓮駅で見つけた檳榔屋です。下に二軒あるのわかりますか?
檳榔を買ってみた!
檳榔は、台東や台南などちょっと郊外に行かないと売っていない&檳榔は檳榔ガールが路上で肉体労働者向けに販売しているもの、という先入観があったのですが、台北の路上に普通にお店があり、また店もガラス張りで別に入りづらくない!そこで、思わず入ってお姉さんに値段を聞いてみました。←別にセクシーな格好をしているわけではない。
すると、「50元」とお手頃値段ではないですか!
急いで一袋買ってみました。
店の人が若干驚いていたようないないような気もするけど気にしない。
一応檳榔にもブランド?というか作り方があり、2つの檳榔が包まれている「双葉星」とか、色々あるようです。わたしが買ったのは、「太陽神」というタイプです。花火の名前っぽい。また、季節ものもあるそうです。
双葉星は、小さめの檳榔を2つ包んでるもので、割とマイルドなそうです。また梅のパウダーが入れてあったりするんだとか。檳榔の世界も奥が深そうです。
檳榔を噛んでみた!
ちなみに、わたしは好奇心は人一倍ですが、基本タバコは吸わない人間。←吸ったことはあるし、たまに酔っ払うと貰いタバコをしてた時期もありますが。もう長いこと吸ってない。要はタバコに免疫があんまりないし、最近ではお酒とかも飲まないようにしているので、ちょい怖くなり、檳榔を購入してからも、ビビって二日間は冷蔵庫に入れっぱなしにしておりました。
しかし!
ここで試さねばいつ試す?
ということで、タロコ国立公園のホテルでようやく試してみることにしました。
しみじみと檳榔をつまんでじっくりと眺めてみる。…これ、デカイよね?噛めるの?硬いんじゃないの?
ちなみにこーゆー実が、葉っぱに包まれております。
葉っぱの中には白い粉。
ドキドキしながら、噛んでみると、檳榔の種は思ったより硬くなく、ガリガリと噛み砕くと、ジュワッとジュースが口の中に溢れて、ほのかな甘みも感じます。ただ、全体的には「苦い」ていうか、青臭い。決して、美味しさを感じるものではありません。
檳榔を噛んだ時に出る唾液は赤く、また毒性を帯びているそうなので、飲み込まずに吐き捨てます。1分ガリガリ噛んでいたのですが、何も起こらないので、全て吐き出してしまいました。
「檳榔大して効果なかったな…」…そう思いながら、二粒目の檳榔に手を伸ばそうとしたその瞬間「来たっ!」
両耳の後ろあたりに軽くカッと血が上ったような感覚と、一瞬遅れて気持ちよくお酒に酔った時のようなまったりとした感覚が訪れました。
タバコを初めて吸った時のガツン!と来る感じよりはもっとまったりしていて、なかなか気持ち良い。この酩酊感、好きな人は好きでしょうねー!ちなみにタバコと同じく、檳榔も噛み慣れると段々と感じなくなってしまうようです。
という訳で、檳榔体験でした。別に「超おすすめ!」はしませんが、好奇心旺盛な人は檳榔を試してみてもようのでは。台湾文化の一端に触れた気分になれます。